この記事で分かること
PER・PBRの意味(まずはここだけ)
PER(株価収益率):株価が「利益(EPS)」の何倍か
イメージ:会社の稼ぐ力に対して、いまの株価は高い?安い?
PBR(株価純資産倍率):株価が「純資産(BPS)」の何倍か
イメージ:会社の資産の厚みに対して、いまの株価は高い?安い?
つまずきやすい用語(超短く)
- EPS:1株あたり利益(利益を株数で割ったもの)
- BPS:1株あたり純資産(純資産を株数で割ったもの)
- ROE:自己資本に対して、どれだけ効率よく利益を出しているか
※厳密な計算はデータサイト/証券会社の表示に任せてOK。初心者は「意味」と「使い方」が重要です。
比較のコツ:PER/PBRは“比べ方”が9割
PER/PBRは単体の数字より、「何と比べたか」で意味が変わります。 まずはこの3つだけ覚えると事故が減ります。
| 比べ方 | 見る目的 | 初心者のコツ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 同業比較 | その業界の“普通”からズレているか | まずは同じ業種で比較(最優先) | ビジネスモデルが違うと単純比較は危険 |
| 過去比較 | 自社の“いつもの水準”から高い/安いか | 過去の平均・レンジを意識 | 環境が変わったなら過去は当てにならない |
| 市場平均との差 | ざっくり割高/割安の気配 | 最後の参考程度に使う | 成長株/景気敏感で平均との差はブレやすい |
低PER・低PBRでも危険な理由(バリュートラップ)
初心者がやりがちなのが「低い=お得」と決めつけること。
低PER/低PBRには、“安い理由”があることが多いです。
典型パターン:安く見えるけど危険
- 利益が一時的(特別利益でEPSが膨らみPERが低く見える)
- 利益が落ちる予兆(来期の減益・需要減・競争激化)
- 構造的に伸びにくい(成熟・規制・価格競争で利益率が上がらない)
- 財務が弱い(借金が多い、資金繰りが不安、希薄化リスク)
- PBRが低いまま固定(資本効率が低く、株主価値が増えにくい)
“良い割安”の匂い(可能性)
- 利益が安定していて、一時要因ではない
- ROEや利益率が改善傾向(稼ぐ力が上がっている)
- 財務が健全で、悪材料が出ても耐えられる
- 過去と比べて評価が下がった理由が“短期要因”で説明できる
初心者向け:PER・PBRで割安候補を探す3ステップ
ここからは「手順」です。感覚で探すより、この型でやった方が早くて安全です。
-
同じ業種で候補を並べる(同業比較)
例:同業のPER/PBRのレンジを見て、明らかに低い(または高い)銘柄を把握する。 -
“安い理由”を仮説で出す(ニュースや業績の変化)
「なぜ評価が低いのか?」を一言で言えるようにする。言えないなら保留。 -
追加チェックで落とす(ROE・利益の質・財務)
PER/PBRは入口。最後は「稼げる会社か」「壊れやすくないか」を確認する。
追加チェック(これだけ見ればOK)
- ROE:資本を効率よく使えているか
- 営業利益率:本業が強いか(薄利だと評価が上がりにくい)
- 利益のブレ:毎年安定?一時要因?(特別損益に注意)
- 借金・現金:急変に耐えられるか(財務の安全性)
- 成長の見通し:伸びる材料があるか(市場/商品/構造改革など)
例で理解する:PER/PBRの“次に見るべき”が分かる
ケース1:PERが極端に低い(ラッキー?)
低PERに見えても、利益が一時的(特別利益)だったり、来期の減益が見込まれていると“安い理由”になります。
次に見る:営業利益(本業)・来期見通し・特別損益の有無
ケース2:PBRが1倍割れ(資産より安い?)
PBR<1は目を引きますが、資本効率が低いと“ずっと安いまま”もあります。
次に見る:ROE、利益率、株主還元(配当・自社株買い)、事業の稼ぐ力
ケース3:PERが高い(割高?)
成長が強い企業は「将来の利益」に期待が乗りPERが高くなることがあります。
次に見る:売上/利益の成長率、競争優位、成長の再現性(偶然か構造か)
よくある質問(FAQ)
Q. PERは何倍なら割安?
「何倍なら絶対に割安」という答えはありません。同業比較が基本です。
まずは同じ業種でレンジを見て、「明らかに低い/高い」から理由を探すのが安全です。
Q. 赤字(PERが出ない/マイナス)の会社はどう見る?
赤字だとPERは参考になりにくいので、PBRや財務、安全性、事業の回復見通しなど別軸が重要になります。
初心者は「利益が安定している銘柄から」練習するのがおすすめです。
Q. PBR1倍割れは買いチャンス?
チャンスのこともありますが、単独で判断すると危険です。
ROE(稼ぐ力)や利益率が低いと、PBRは低いまま固定されやすいです。
Q. PERとPBR、どっちを優先すべき?
目的で変わります。
「利益に対して高い/安い」を見たいならPER、「資産に対して高い/安い」を見たいならPBR。
迷ったら、PERで入口→PBRとROEで裏取りの順が分かりやすいです。
次に読む(関連ページ)
割安の判断ができたら、次は「配当」や「決算の読み方」に進むと精度が上がります。
※当ページは学習用です。指標は業種・市況・会計要因で大きく変わります。単独の数字で売買判断をせず、必ず複数の観点で確認してください。